オンライン報告書 - 2008 年 訪日企画 - ディスカッション「国とメディア」
資料
1) NHK 型がいいか、民放型がいいか
- それぞれの利点・欠点とは?
- どちらがより質の高い番組を作ることができるか?
2) 番組の価値について
- 視聴者の笑いのためなら、やらせ・捏造・誇張表現は許されるか?
- 娯楽性と情報の正確性、大衆はどちらをより求めているか?
- ただ楽しいだけの番組は、まったく見る価値がないのか?
- やらせ・捏造・誇張表現を使って視聴率を得、黒字となるのと、使わないで倒産するのでは、どちらがいいか?
- テレビ局だけでなく、視聴者も改めるべき点があるか?
- 情報性が高く、かつ面白い番組を作ることはできるのか?
- 総合的に考えて、テレビ局は番組の娯楽性と情報の正確性のどちらを重視すべきか?
3) 情報の正確性について
- ロシアの言論統制について
→ 言論統制にプラス面はあるか?
→ 言論統制をしないで社会が混乱するのと、言論統制をして社会が安定するのでは、どちらがいいか? - 日本にも言論統制はあるのか?
→ 「青少年インターネット規制法案」について、テレビでは全く取り沙汰されない。
→ テレビは、自分にとって不利になる情報は流さなくてもいいのか? - 大衆は、どの程度、テレビの情報を信頼したらいいか?また、本当に正しい情報を得るには、どうしたらいいのか?
4) 日露それぞれにおける、メディアとしてのテレビの地位
- ロシアでは、新聞やラジオに比べて、テレビへの言論統制が厳しい
→ それだけ政府は、テレビの大衆への影響力を認めている。それはなぜか? - 日本では、テレビよりもインターネットをニュースソースとして利用する人が増えている
→ テレビとインターネットの差異は?また、どちらがより利用価値が高いか?
まとめ
1 情報の規制・操作と表現の自由について
主な問題提起
- 情報規制・操作はかけるべきか?
- 規制と操作の違いは?
- 規制・操作と表現の自由は両立可能か?どちらを重視すべきか?
- ロシアの方が、規制・操作ともに日本よりも厳しいが、それはなぜか?
情報規制について
規制とは・・・
流通すると都合の悪い情報を制限するために、規則を設けたり、情報発信源を何らかの形でけん制したりすること。おおまかに、政治的な規制と、公共の秩序を守るための規制の二種類に分けることができる。
強い例:ロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺 (チェチェンの報道、プーチン批判のため)
弱い例:放送禁止用語の制定・ロシアでの、煙草・ビールの宣伝の禁止
一般的に、政治的な規制は強制力が強く、秩序のための規制は比較的緩やかである場合が多いが、近年、特に日本において、青少年インターネット規制法という、表現の自由を著しく制限する恐れのある法案が可決されようとしている。
以下、この規正法に賛成か反対か、という議論の結果をまとめる。
反対意見 (主に日本)
- 公共の秩序が回復するというメリットは認める。
- しかし、規制がエスカレートすると表現の自由がなくなり、文化が衰退する。
- 政府が恣意的に情報統制を行い、第二次大戦期の日本のように国民が洗脳される危険性も。
- 効果は期待できるが、同時に大きな危険性も予測できるため、慎重になるべきだ。
賛成意見 (主にロシア)
- 規制を行っても、サイト管理者は抜け道を探すだろうから、あまり効果はないだろう。
- だから国に情報をコントロールされる、という危惧は杞憂だ。
- 効果はあまり期待できないが、かといって 0 ではないだろうから、規制をする価値はある。
情報操作について
操作とは・・・
大衆を政府あるいは情報発信者の都合のよいように扇動し、世論を動かすために、情報を誇張・隠ぺい・歪曲して発信すること。
強い例:太平洋戦争時の朝日新聞の主戦論・チェルノブイリ原発事故隠ぺい・グルジア侵攻
弱い例:天皇が崩御したら、どのチャンネルもその話題ばかり・コマーシャルを見てみんな同じものを買う
主に、社会は情報操作を許容すべきか否かについて話し合い、次のような結論を得た。
反対 (全員意見一致)
- メディアにおいて、情報操作・扇動は一切すべきではない。常に中立であるべき。
しかし、真に公平で客観的な報道など可能なのか?
- 原稿を書くのは人間。知らず知らずのうちに、どうしても自分の意見・立場が反映されてしまう。
どうしたら、正確な情報を入手することができるのか?
- 専門家に聞くしかない。
- メディア・リテラシーの教育が必要
- 可能な限り沢山の媒体から情報を得て、比較してみることが必要。
2 インターネット・テレビ・新聞の違い
テレビ
- 一人暮らしで、BGM 代わりに
- 娯楽
- 企業による運営なので、情報に対する責任がある。→信頼される
新聞
- 右派・左派に分かれる。新聞社によって、立場が全く異なる。
- 企業による運営なので、情報に対する責任がある。→ 信頼される
インターネット
- 身元を明かさなくていいので、情報に対しての責任が問われない。→ 信頼・重視もあまりされない
- 能動的。自分で欲しい情報を検索する。
- 50 代から上の層は扱えない人が多い。
感想

この「国とメディア」のディスカッションにおいては、ある程度予測されていた結論になったと思う。情報の規制に対しては「日本人は反対、ロシア人は賛成」と日露の違いがわかりやすく出たが、操作に対してはどちらも反対していた。このテーマが初めてのディスカッションであったこと、テーマの種類、言葉の壁などの理由から、「ロシアでは」「日本では」という意見が目立ち個人の意見が少なかったようにも感じるが、日露の違いを確認したことは後二つのディスカッションの前提にもなり最初のディスカッションとして意義があったと思う。
海外ニュース専門のテレビチャンネルも存在し、インターネットで海外のニュースサイトをチェックするようになって、昔に比べて海外の情報をより得やすくなった今日では、メディアの社会における役割はますます拡大することだろう。また、情報操作によって国民が扇動され国が動けば他国との関係にも影響が及ぶ。グローバル化が進む今日の社会においては、もはやメディアからの情報は当事国だけに影響を与えるものではない。メディアに対する考え方は、国内で自己完結して良いものではないと私は思う。日本人以外のメディアに対する意見や姿勢を知ることで、今日のメディアについてより深く考えるきっかけになったと思う。