オンライン報告書 - 2007 年訪ロ企画 - ディスカッション
テーマ「メディア・演劇」
【はじめに】
文責:M.M
「演劇」というテーマはリャザンの学生たちが提示してきた。日本側は日本の伝統演劇を中心に現代の演劇事情を紹介する準備をした。討論にはそぐわないテーマだったので、お互いの国の演劇について情報交換するかたちで発表しあった。
【レジュメ】
1.歌舞伎 kabuki
能や文楽と同じように日本の代表的な古典演劇。現在では古典演劇の中で歌舞伎の愛好者が最も多い。能や文楽の要素も取り入れているので伝統演劇の集大成といわれる。起源は江戸時代の初期。1603年出雲阿国(いずものおくに)が京都で披露した念仏踊りが起源。その後女歌舞伎、若衆歌舞伎(少年)が禁止され、野郎歌舞伎(男だけ)が起こり、現在に至る。
特徴:演劇、踊り、舞台装置からなる総合芸術。三味線の伴奏→歌舞伎的リズム。
誇張、省略、形式化された動き。女形、世襲、花道、回り舞台
主題:貴族や武士の運命を描いたもの(時代物)
庶民の生活を描いたもの(世話物)
代表的な歌舞伎脚本作者:鶴屋南北(江戸)「東海道四谷怪談」など
河竹黙阿弥(江戸~明治)
2.能 noh
もと武士階級のもの。14世紀に平安時代の芸能である猿楽をもとにして成立。室町時代、1375年に足利義満が観阿弥・世阿弥の能を見て感動し、2人を保護した。
特徴:面、装束、謡曲。題材の多くは仏教思想の影響を受けている。演技者は動作や面の角度によって喜怒哀楽を表現。
3. 文楽 bunraku
17世紀から始まった人形劇。人形の背丈は1~1,5メートルで独自の節回しの浄瑠璃という語りと音曲に合わせてそれぞれの人形を3人で動かす。
4. 日本の近代演劇
明治に始まる。小山内薫。伝統演劇と区別し、新劇とよばれる。
戦後~70年代あたりまで盛んだったが、現在では下火。
主な新劇の劇団→劇団民藝、文学座など
5.その他現代の演劇
宝塚歌劇団:フランスのレビューに倣ってつくられた女性だけの歌劇団
劇団四季:代表的な日本のミュージカル劇団
リャザン編
【まとめ】文責:M.M
全体的に現代はどの分野の演劇も一部のファンにかぎられ、国民的人気を得ているものではない。チケット代の高さ、情報のなさが原因か。
【感想】
M.M
リャザンメンバーは演劇は現代を映したり、未来を予言するものだと言っていた。それだけ自国の演劇の社会性や芸術性に自信をもっていることのあらわれだろう。しかし劇場に行く回数は年に1~2回と少なかった。チケットが高く、公演の一週間前に買わなければならないのが理由らしい。しかし大学に劇場があるなど、日本より演劇接する環境は身近にあるのだと感じた。一方、日本の伝統演劇については、それそれの特徴を説明するだけで終わってしまたので、歴史と発展過程を踏まえて、どのような芸術性をもっており、現代の観客がそれに何をみるかなど、詳しく説明できればよかった。
E.S
日本では演劇、特に歌舞伎、能、文楽などの伝統的なものは決して一般的であるとは言えない。それに対して芸術が盛んな国ロシアでは演劇も人気が高く気軽によく足を向ける身近な場所であると思っていた。今回のディスカッションでは、ロシア人の演劇観を聞くと共に、日ロ間のその演劇に対する態度の違いについて話し合いたいと考えていた。
ところが実際ディスカッションを始めてみると、ロシア人にとっても思っていたほどには劇場が身近なものではないらしい、ということがわかってきた。私が人気の高さを想像し過ぎていたせいもあるかもしれないが、ロシア人も劇場に行く回数がそれほど多いわけではないというのは意外であった。とはいってもやはり演劇に対する意識の違いは確かに存在していたように思う。ロシア人は自国の演劇についてよく知っており、その芸術性に誇りを持っていた。誰もが演劇を始めとする芸術に一定の関心を持っており、ディスカッション中、芸術に対する愛情が伝わってくるように感じた。ロシアでは芸術が日常生活の大切な一部分としてしっかりとした地位を占めているのを感じ、その一人一人の芸術に対する意識がロシアを芸術大国にしているのかもしれないと思った。
【総評】
文責:M.M
ロシアでは18世紀から演劇が発展した。演劇のテーマは主に歴史を扱ったものと、人間生活を扱ったものに分かれる。ロシア人にとって演劇をみることは昔を思い出すことである。ロシアではヒョードル・ボルコフという人がはじめて社会劇場を設立した。現在ではドラマの劇場、人形劇場、青年劇場など、様々な劇場がある。ドラマの劇場は1717年に設立し、世界のクラシック戯曲を上演している。人形劇場は子どもと大人両方を対象としている。青年劇場は19世紀の建築技術により1937年に創立され、現在では各国で公演を行なっている。リャザン国立大学では1998年に「ピリホード」という劇場ができた。