オンライン報告書 - 2006 年訪日企画 - ディスカッション
テーマ「教育」
はじめに
「教育」は過去にもたびたび取り上げられてきたテーマだが、近年日本で話題になっている早期英語教育やゆとり教育の是非を踏まえ、また、質が高いと言われているロシアの語学教育の現状を探るべく、活発な議論ができる期待をもってこのテーマを選出した。最近はロシアの教育制度も変わってきているようなので、日本とロシアの教育の潮流を感じ取り、両国の教育事情を多角的に理解できるようなディスカッションにしたい。さらに、日ロの学生が抱く理想の教育像についても探っていけたらいいと思う。
レジュメ
全体の流れとして、まず最も身近であろう外国語教育について話し合い、その後現行の教育制度について意見を出し合った。
学校における語学教育
- 語学をどのように学校で勉強したか・しているか
- 英語をどのように勉強したか
- ex...何歳から英語をはじめるのか
- 外国語教育はロシアのほうが質が高いといわれているがどうか
- ex...どんな宿題がでるのか、授業人数の大きさは?週に何回?
教育制度
- 大学の教育制度の違いからくる授業量・休暇の量の違いはあるか。
- ゆとり教育、学力低下の懸念をどう思うか?義務教育の長さ
- 他制度の違いなど
- ex...ロシアの小~高一貫教育、受験制度...
まとめ

私たちのグループは日本とロシアの外国語教育のシステムについて話し合いました。
まず話題に上がったのは、勉強内容の違いです。日本の外国語学習は文法および読解を重視する一方、ロシアでは聴き取りと会話に重点が置かれていました。ディスカッションが進むうちに、ロシアの方が日本より外国語教育に力をいれている、ということが分かってきました。一つにロシアでは英語教育が日本の小学校にあたる時期から行われていること、さらに先生がより厳しく、宿題も多く、休みも少なく、少人数制を採用していることなどから、日本人メンバーはロシアの外国語教育の熱心さを感じ取りました。
次に教育制度の違いについて討論しました。ロシアでは無料で教育を受けることができるが日本ではそれは難しい、成績評価はロシアでは5段階である一方日本では100点満点で評価する、1年あたりの日本の大学の休暇日数はロシアの2倍である、ということなどが明らかになりました。
上に挙げたように活発な議論ができたこと、また日本とロシアの教育について知ることができたことは、日ロ交流という観点からみてとても有益だったと思います。
ディスカッションの感想
日本よりロシアの大学の方が休暇が短く、普段の授業量も多いですが、ロシア人学生は今のロシアの教育に関するタイムスケジュールは適していると満足していました。なぜなら、ロシア人は決められた期限がないとやらないし、締め切り直前にならないとやらないために、締め切りとしての授業や試験があることで宿題・課題や勉強をするからだそうです。また、ゆとり教育についても、同じ理由から、ロシアでは取り入れるべきではないという意見が多数でした。もしロシアの学校で実行すれば、学力低下が起こることは間違いなく、むしろロシアの教育が崩壊してしまう恐れもあるのでは、という意見もありました。
現代は多く若者が将来の仕事に直接結びつくような専門的な学問を学びたがるが、それは正しい学問のあり方ではないという考え方が日ロ両学生の間で一致しました。このことについて、アメリカによる影響もあるという考えもありました。自分の好きな分野や学問を追究するための大学であり、お金を稼ぐためのスキルを身につけるための大学ではないと感じました。
また、両国とも自国の教育制度に不安を感じる点があり、満足していないことが分かりました。ロシアでは、読書をしてそれについて考えたことをみんなで討論するなど、ディスカッションのための練習をする授業が幼い時から行われ、とっさの場合に自分の考えを意見として出せない人の多い日本の教育においてロシアの教育システムから学ぶべきことは多いと考えます。
その他にもロシア政府が教育のためにより多くの資金を費やしていることや、カンニングに対する考え方の大きな違い、大学生という概念の違いなどを話し合い、どれも興味深い話題ばかりでした。
本を読むだけでは分からない、教育に対するロシア人学生の生の意見を聞けたことは大きな収穫であり、自分自身の教育制度に対するステレオタイプを取り除き、今後日本とロシアの教育についてより深く考えるよい機会となりました。