オンライン報告書 - 2004 年訪日企画 - ディスカッション
環境問題
今回私たちは 3 つのディスカッションテーマのうちの 1 つを環境問題にしました。
このテーマにした理由は、まず私自身が昨年実際にロシアに行き、自分の目でロシアのゴミ事情を目の当たりにしたからです。日本のような分別ボックスはなく、燃えるゴミも燃えないゴミも一緒に捨ててしまうことに衝撃を受けました。そんなこともあり、ロシア人の環境問題に対する意識に個人的に関心があったのです。それに加え、最近住友商事がモスクワ市とペットボトルリサイクル事業を始めようとしていること知り、ぜひ同年代のロシア人たちとゴミ問題・環境問題について話し合おうと思いました。
ディスカッションの前半はゴミ問題、後半は温暖化について話し合いました。ロシアの現在のゴミ事情を語ってもらい、日本側も詳しく説明しました。環境問題がどのように教育に取り上げられているか、国民性と関係はあるのか、ロシアでリサイクルは根付くか、など環境問題をいろいろな視点から見て話し合いました。
ゴミ
分別について
- ノヴォシの分別状況
ソ連時代: 紙、ビン、金属のリサイクル (お金になる)
最近: アルミ、鉛 - 日本では小中学校でゴミ処理場に見学へ行ったりプレゼンテーションをしたりするが、ロシアではそういうものがない。
- 分別は必要である。(日・ロ)
- リサイクルするために分別は必要である。
- ロシアでは分別、リサイクルの仕組みが社会にないため、個人で分別しても結局は他のゴミと混ざる。
- モスクワでペットボトルのリサイクルが開始されることをロシア人は知らなかった。
- 日本人はリサイクルに対して肯定的だが、ロシア人はゴミから作られた服などにはやや抵抗を感じる。しかしリサイクルが大切だという意見は一致。
- 個人で分別しても法律がきちんとしていないと意味がない。
過剰包装について
- ロシアでも日本同様に過剰包装が始まっている。
- 過剰包装はお金と資源の無駄である。(日・ロ)
- 包まれた野菜やパンは人工的で不自然に見える。(ロ)
- 他人が触った食べ物は嫌だから包装されている方がいい。(日)
環境問題
- ノヴォシの大学の環境学部で植物、化学、物理などの授業に含まれた形でしか環境問題を扱わない。地域の学校できれいさを争うコンテストはある。
- 地球規模でやる必要がある。
- 小さい頃から教育していないとゴミに対する意識が高まらない。
地球温暖化
- 温暖化により生態系が壊れるのは大きな問題。(日・ロ)
- 日本では冬が暖かくなっていいという人もいるが、異常気象の暖冬は不健康だ。(ロ)
温暖化対策
- 温室ガスを排出する工場に罰則を課す。
- 原子力以外のエネルギー源を確保する。(太陽発電など)
- ロシア人の間では京都議定書の知名度が低い。ロシアが批准していないことも知らなかった。
感想
環境問題というテーマはやはり堅苦しいイメージがあり、ロシア人も日本人も楽しんで話してくれるだろうかという不安はあった。またディスカッションの準備をしている段階から、ロシアのゴミ問題に関する情報はまったくと言っていいほどなく、ロシア人の環境に対する考え方というものは何も分からなかった。その点に置いて、今回のディスカッションは直接ロシア人の意見を聞くことができ、大変有意義なものになったと思う。
ロシアではやはりリサイクルは社会に根付いておらず、ゴミの分別もされていない。ところがロシア人学生も外国のリサイクル運動などを知り、ロシアですべてのゴミを一緒に埋め立てている事実に疑問を感じているようだった。ロシアの学校では日本のような環境問題の教育がなされていないようだが、近い未来にはロシアでもゴミ問題やリサイクルに関する意識が高まってくるのではないだろうか。モスクワでペットボトルのリサイクルが始まるのをきっかけに、ロシアでも分別回収のシステムごとリサイクルが根付くと良い、というのは日本人・ロシア人に共通した意見だった。
日本人の中でのリサイクルに対するイメージは非常に良いものだと思う。ところが日本のリサイクル技術のいくつかを紹介した時に、ロシア人は必ずしもリサイクルのすべてに肯定的ではないということが分かった。ペットボトルから作られた服など人工的すぎるし、ゴミから作られたという点にも抵抗があるらしい。私たちはロシア人が日本のリサイクル技術のレベルの高さに関心を示すものと期待していただけに、この反応は新鮮だった。
温暖化について話した時も、日本とロシアでは環境に対する意識や知識に差があることが分かった。日本では温暖化対策と言ったら京都議定書、というほどこの2つは関連しているが、ロシアではそもそも京都議定書の知名度が低いらしい。ロシアが議定書に批准しておらず、そのことが世界で問題になっていることをロシア人が知らなかったのには驚いた。結論としては、ゴミ問題や温暖化といった環境問題は地球全体に影響を及ぼすので、各国が独立して対策を進めるのではなく、それぞれの国が現状をきちんと理解して国際社会において基準を設けるべきだという意見で一致した。
今回のディスカッションでは、時間配分にやや問題があり計画通りには行かなかったが、話し合いを通して環境問題に対する意識を深める、という目的は十分果たせたと思う。