オンライン報告書 - 2003 年訪ロ企画 - ディスカッション

テーマ「政治」

9.11 の同時多発テロ以降、国際政治の構造が多方面で変化しつつあることを鑑みて、今回はディスカッションのテーマに政治を取り組みました。しかしそれぞれが抱える政治問題の質は大きく異なり、従って学生が政治や戦争を見る目も当然変わってきます。そこで今回はテーマを American foreign policy、National defense、World peace and Military power の 3 つに分類して今の国際政治についてディスカッションしました。

総評としては、知識の個人差を心配していたものの、いずれの国もイラク戦争への意識は高く、互いに人命を尊ぶ気持ちがあることを確認することのできた、成果あるディスカッションになったと思います。「核反対」「戦争反対」の声の大きい日本と、一方徴兵制の存在するロシア。戦争に対する認識の違いが浮き彫りになりました。特に 2002 年 10 月のモスクワ劇場占拠事件でのロシア政府の対応について話したとき、死者が出たことを「失敗」とうけとる日本側と、どの道自爆を企てていた犯人たちから人質の市民を少しでも救い出すことができたことを「成功」とうけとるロシア側の意見の差は歴然としていました。以下いくつかの意見を抜粋します。

American foreign policy

  • 9.11 のテロ以降、アメリカの掲げる人権と民主主義の活動は停滞した。(ロシア学生)
  • テロ以降、ロシアの対米政策は良くも悪くも協調路線へと大きく変化した。(ロシア)
  • 日本はアメリカと同盟関係にあるために、国民がイラク戦争に反対したとしても、国としては反対できないのではないか。(日本学生)
  • そもそもアメリカのいう「イラクの大量破壊兵器の脅威」の存在は疑わしく、イラク戦争には正当性がない。(日本)

National defense

  • ロシアは国内に紛争を抱えているから国防意識を持たざるを得ない面がある。(ロシア)
  • 最近日本でも若者の間には偏狭なナショナリズムを持つ人が増えた気がする。(日本)
  • 日本は自衛隊という軍隊を持っているから憲法 9 条を改正すべき。(日本)
  • 日本は周辺国へ再び軍国主義のイメージを想起させぬように、9 条を改正すべきではない。(日本)

World peace and Military power

  • 武力なしで問題解決に臨みたいのは当然だが、実際は無理な場合もある。(ロシア)
  • 日本人の「和」の精神や被爆国の立場を考えれば、日本人なら戦争に反対しなくてはならない。(日本)
  • テロがある限り、世界平和を目指すのは難しく、9.11 以降それが一層困難になった。(日本)
  • まず核兵器を持つことを止めるべきで、核保有国は率先して核軍縮に取り組むべき。(日本)
  • 軍備の偏った配分が戦争の原因であるから、この軍備の不均衡を解消しなくてはいけない。(ロシア)