オンライン報告書 - 2002 年訪日企画 - ディスカッション
テーマ「家族」

実際、「家族」というものの重要性が今日においては薄れてきている。そんな中、あえて自分の将来を見据えながらこのテーマを取り扱ったことは、再度その重要性に気づくことにあった。2 年前の訪日において行われたディスカッション - 「家族」。この時は"結婚から考える家族"ということで話し合った。テーマを〈結婚前〉〈人生プラン〉〈家族のあり方〉と三分割することによって、より詳しくその国での考え方(むしろ個人的な考え)を引き出そうとした。
例えば、〈結婚前〉の話の中では結婚年齢・条件、学生結婚はどうか? 〈人生プラン〉では子供の有無、働きたいか? 〈家族のあり方〉では両親の離婚に対してどうするか? といった具体的な問いをロシア人・日本人の双方に投げかけた。もちろん異なる環境で育った者同士の話し合いだから、一方の常識が通用しないこともあったが、それはむしろ自分の価値観の幅を広げるプラス材料であった。
短い話し合いではあったものの、双方の「家族」に対する価値観を学べた有意義な時間であった。
テーマ「スポーツ」
2002 年 6 月、日韓共催のサッカー W 杯が開催された。その初戦で日本とロシアが戦うことになり、多くの日本人がロシアに関心を向けた。それまで、隣国でありながら決して近い存在ではなかったロシア。ロシア好きの我々はそのことを喜ばしく思った。そして、同じようにロシア国内で日本に対する関心が高まったのかという疑問を持ち、スポーツを今回のディスカッションのテーマに取り上げたのである。
この話し合いではスポーツを介してそれぞれの国のナショナリズムの問題や、スポーツの経済への影響についても考えをめぐらせた。
もちろんこのテーマを話し合うために、あらかじめ基本的なデータを集めるなどの準備をした。「スポーツ」というテーマは関心がなければそれで終わりになってしまう危険性があったが、入念な準備とさめやらぬ W 杯熱のおかげで、実りのあるディスカッションを行うことができた。
主な 5 つの項目
- W 杯とオリンピック、関心の度合いは?
- マスコミの報道内容について
- 選手の育成、両国でのスポーツの役割
- 人材の国外流出
- スポーツとナショナリズムの関係性
総評

W 杯やオリンピックだけを取り出して議論した場合、両国の意見に大きな差は見られず、似たような反応が得られた。スポーツに対する考え方など、我々の予想では、日本に比べて相当厳しく商業的だと思っていたが、スポーツの理想像などを聞くと、お互いに、スポーツはお金や政治とは独立して存在してほしい、スポーツはただのスポーツであってしかるべきだという意見が圧倒的であった。
我々が学生という立場でスポーツについて議論したために、意見が似通った部分もあるかもしれない。ただ、スポーツから発展してナショナリズムを国家の発展に必要だと考えているように感じられたし、自国に対する愛情も日本人よりもロシア人たちのほうから強く感じられた。
我々の多くはソヴィエト時代のナショナリズムや、ロシアとソヴィエト時代の違いなどに興味を持っており、普段はなかなか手に入れられない情報に加えて、ロシア人としての生の声を聞くことができ、大変興味深かった。スポーツというテーマであったが、いろいろなトピックに派生し、お互いの率直な意見を交換することができて、非常に有意義なディスカッションになったのではないだろうか。